グッバイ、親友。また会う日までっ!!【野いちご10周年企画】


本来なら、屋上は立ち入り禁止の場所だ。


けれどここに居る啓介は、在学中の成績は常にトップで、学校生活での評価も高かった。


先生から信頼されているからこそ、屋上の鍵を借りることが出来た。 というわけだ。



そんな啓介が開錠し、俺が重たいドアを開いた。




「お、いい風。 やっぱり屋上は気持ちいいねー」




外に出てすぐ、俺はグッと背伸びをした。


体育館ではほぼ座りっぱなしだったから、やっと体を動かせる。


腕をぐるぐると回し、首を左右に動かしたあとに少し向こうへと歩いていった啓介に視線を向けた。


啓介は早速 三脚の準備を始めている。


その場所へ俺も行き、隣に並んでから景色を眺めた。




「高校最後の日、サイッコーの天気だね」




そう言った俺に、啓介は頷きながら微笑んだ。



丘の上に立つ学校からは、俺たちの住む街が一望出来る。


そしてその更に向こうに見えるのは、広大な海。


青空の下、太陽の光りを反射した海がキラキラと輝いていた。



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