グッバイ、親友。また会う日までっ!!【野いちご10周年企画】
「ごめんね、良太郎」
啓介が、何故か突然 俺に謝ってきた。
「なに、急にどした?」
「いや……ここからの景色を、一緒に見てるのが僕で悪いなーと思ってさ。
ほら、普通は彼女と一緒に…とかだろう?」
「あぁなるほど、確かに普通は彼女と見たい景色だね。
んー……でも俺は啓介が好きだから、二人きりで過ごせて嬉しいよ?」
「……ありがとう。 だけどそのセリフは妙な誤解を招くと思うから、他の人の前では言わないでね?」
「あはは、わざと だよ」
俺は啓介に惚れているっ!! って言い方にしたのは、わざと だ。
俺たち以外には誰も居ない場所だからこそ、いつもみたいな冗談が言える。
まぁ、「啓介との時間が好きだから」っていうのは本当だけどね。
もちろん、恋愛ではなく友達として。
海外へ旅立つ前に親友と過ごせるなんて、こんなに嬉しいことはない。