グッバイ、親友。また会う日までっ!!【野いちご10周年企画】
「良太郎ー、啓介ー」
そう言いながらブンブンと手を振る渉。
そんな渉に、俺と啓介はほとんど同時に手を振って応えた。
その時。
こっちに向かってくる渉たちを見ながら、啓介が小さく言葉を放った。
俺の目を真っ直ぐに見つめながら、真剣に。
「ねぇ良太郎。 すぐには無理かもしれないけれど、いつかは絶対にまたみんなで集まって笑い合えるよ。
どんなに遠く離れていても、お互いがお互いの存在を忘れない限り、絶対に」
「……そう、かな?」
「うん。 ていうか、そっちは僕らのことをアッサリ忘れるつもり?」
真剣な瞳が、ふっと和らぐ。
……忘れないよ。
絶対絶対、忘れない。
「……大切な仲間のことを忘れるわけがないじゃん」
「じゃあ大丈夫。 僕らは全員、良太郎と同じ気持ちだから」
「……うん」
ありがとう、啓介。
啓介の言葉で不安が吹き飛んだ。
どんなに遠く離れていても、俺たちはずっと友達だ。
全員で会うことは難しいかもしれないけれど、それでもお互いがお互いのことを忘れない限り……俺たちの縁が切れることはない。
だから、離れていても大丈夫だ。