グッバイ、親友。また会う日までっ!!【野いちご10周年企画】
「ありがとね、啓介。 俺、外国に行っても頑張るよ。
みんなと過ごしてきた日々を思い出して、出来ることを精一杯にやってくる」
「でも、無理は禁物だよ?」
「うん、大丈夫」
心配そうな啓介に微笑みを返したあと、近くにやって来た渉へと視線を移す。
その渉は、凄く楽しそうな顔で啓介のカメラを指差した。
「よっしゃ!! 啓介、みんなで写真を撮るぞー!!」
いつもと変わらない元気一杯の声。
それにつられるように、その場に居た全員が笑顔になっていた。
「そう言うと思ってた。 もう準備出来てるよ」
「さっすが啓介!! 男前!!」
渉たちが来る前にセットし終わっていたカメラを、みんなの居る方向へと動かした。
あとはもう、セルフタイマーを押せば いつでも写真が撮れる。
「行くよー」
と啓介が合図し、フィルムカメラのセルフタイマーをスタートさせた。
駆け足でこっちにやって来た啓介は、奈央ちゃんの隣に並んでそっと手を繋いだ。
その向こう側では、渉とさゆも手を繋いでいる。
気づけば、恋人が居ないのは俺だけだ。
でも、全然悲観はしていない。
恋人は居ないけれど、俺には大切な仲間が居る。
大好きなみんなと写真を撮れるなんて最高だ。
最高すぎて、幸せだ。