エリート上司の過保護な独占愛
第七章 本物の恋を手に入れる方法
恋が順調ならば、世界がバラ色になる。そんな話を聞いたときは全く想像できなかったのだけれど、今ならわかるような気がする。
正しくはバラ色ではなく、きらきらと輝いて何をするにも前向きになれていた。
裕貴に愛されることで、少し自分に自信が持てるようになっていた。
仕事でも、大きなプロジェクトが動き出そうとしている。いつもならばサポートに回るはずの沙衣だったが、今回は中心メンバーに名を連ねていて、いつも以上に責任のある仕事にやりがいを感じていた。
今日は藤本を交えて大迫と三人で、話をすすめていくことになっている。これまでは電話やメール等で話を進めていて実際に顔を突き合わせてやりとりするのは初めてということもあって、裕貴も参加する。
会議室を整えて、藤本の到着を待つ。ドアが開いて入ってきたのは裕貴だった。
「もうすぐ下に、お見えになるそうだ。今、大迫が迎えに行っている」
「そうなんですね。お茶の準備をしてきます」
出て行こうとした沙衣を、裕貴が手を握ってとめた。
「今日は、早く上がれそうだから。部屋で待ってて」
渡されたのは、部屋の鍵だった。
「はい。わかりました。あの……久しぶりですね。ゆっくりできるの。何かごはん作りましょうか?」
「うん、まぁ、一番食べたいのは沙衣だけど」
「か、課長っ!」
職場で誰かに聞かれているかもしれないのに、なんという発言をするのだ。思わず会議室の外に出て廊下に誰もいないことを確認した。
正しくはバラ色ではなく、きらきらと輝いて何をするにも前向きになれていた。
裕貴に愛されることで、少し自分に自信が持てるようになっていた。
仕事でも、大きなプロジェクトが動き出そうとしている。いつもならばサポートに回るはずの沙衣だったが、今回は中心メンバーに名を連ねていて、いつも以上に責任のある仕事にやりがいを感じていた。
今日は藤本を交えて大迫と三人で、話をすすめていくことになっている。これまでは電話やメール等で話を進めていて実際に顔を突き合わせてやりとりするのは初めてということもあって、裕貴も参加する。
会議室を整えて、藤本の到着を待つ。ドアが開いて入ってきたのは裕貴だった。
「もうすぐ下に、お見えになるそうだ。今、大迫が迎えに行っている」
「そうなんですね。お茶の準備をしてきます」
出て行こうとした沙衣を、裕貴が手を握ってとめた。
「今日は、早く上がれそうだから。部屋で待ってて」
渡されたのは、部屋の鍵だった。
「はい。わかりました。あの……久しぶりですね。ゆっくりできるの。何かごはん作りましょうか?」
「うん、まぁ、一番食べたいのは沙衣だけど」
「か、課長っ!」
職場で誰かに聞かれているかもしれないのに、なんという発言をするのだ。思わず会議室の外に出て廊下に誰もいないことを確認した。