エリート上司の過保護な独占愛
おまけ
おまけ

 ふと目を覚まし、隣で眠る沙衣の顔をみつめる。少し疲れた顔をしていた。それは紛れもなく裕貴自身のせいなのだけれど。

 昨日の夜、プロポーズに成功した裕貴は冷静に見えて舞い上がっていた。

 いつもは自分か彼女を守り、支えたいと思っているのに、実際は彼女が近くにいないと、心配でたまらない。

 彼女の存在の大きさを日々実感する。しかしそれと同時に、彼女の不安に気が付けなかった過去の自分を責めることになるのだが。

 気持ちよく眠る沙衣の頬に触れると、くすぐったそうに肩をすくめた。

(かわいいな)

 柄にもなくそんな言葉が頭に浮かぶ。仕方ない、恋とはそういうものだと諦めるしかない。

 気持ちよく眠る顔を、ゆっくり眺めていると、視線に気がついたのか紗衣が目をゆっくりと開けた。

「裕貴さん……おはようございます」

 少しかすれている声は、昨夜の裕貴が少々鳴かせすぎたせいだろう。忍耐力あるほうだと思っていたが、紗衣のこととなるとどうも箍(たが)が外れてしまう。

 そしてまた気だるげな紗衣を見て、良からぬことを考えている自分を戒めた。

「おはよう」

 挨拶を返すと、紗衣は起き上がりベッドサイドのチェストに手を伸ばした。どうやら眼鏡を探しているらしい。

 しかし裕貴はそれを阻止した。
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