エリート上司の過保護な独占愛
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裕貴は慣れた手つきで運転をしながら、助手席で眠る紗衣の顔を見る。大迫が何度か沙衣にアプローチしようとしていたが、絵美の機転で帰りの裕貴の車には、紗衣と絵美が乗ることになった。そして絵美は途中で慎吾を呼び出しさっさと車を降りてしまう。
「後は、よろしくお願いします」
裕貴にそう言ったあと、紗衣に小さくウィンクするのが見えた。おそらく勘の鋭い絵美のことだ。ふたりの空気がいつもと違うことに気がついたに違いない。
無防備な姿で眠りこける沙衣の顔をもう一度見て、今日の様々なことが思い出された。
毎年恒例の会社のこういった行事にはなるべく参加するようにしている。職場ではコミュニケーションが取りづらい相手とも、話をしやすくなるからだ。
例年通り先発組で、会場に入りタープの準備を買ってでた。いそいそと作業をしていると、紗衣の名前が聞こえてきた。声からしてどうやら大迫と数名の男性社員が話をしているようだ。
(おいおい、ここまで話が筒抜けだけどいいのか?)
裕貴の心配をよそに、大迫は話し続けた。
「俺、絶対、今日沙衣ちゃんに告白するっ!」
そんな言葉に、裕貴の手が止まる。
裕貴は慣れた手つきで運転をしながら、助手席で眠る紗衣の顔を見る。大迫が何度か沙衣にアプローチしようとしていたが、絵美の機転で帰りの裕貴の車には、紗衣と絵美が乗ることになった。そして絵美は途中で慎吾を呼び出しさっさと車を降りてしまう。
「後は、よろしくお願いします」
裕貴にそう言ったあと、紗衣に小さくウィンクするのが見えた。おそらく勘の鋭い絵美のことだ。ふたりの空気がいつもと違うことに気がついたに違いない。
無防備な姿で眠りこける沙衣の顔をもう一度見て、今日の様々なことが思い出された。
毎年恒例の会社のこういった行事にはなるべく参加するようにしている。職場ではコミュニケーションが取りづらい相手とも、話をしやすくなるからだ。
例年通り先発組で、会場に入りタープの準備を買ってでた。いそいそと作業をしていると、紗衣の名前が聞こえてきた。声からしてどうやら大迫と数名の男性社員が話をしているようだ。
(おいおい、ここまで話が筒抜けだけどいいのか?)
裕貴の心配をよそに、大迫は話し続けた。
「俺、絶対、今日沙衣ちゃんに告白するっ!」
そんな言葉に、裕貴の手が止まる。