なにがどうしてこうなった？！

店に戻る前にこちらの知り合いの弁護士に連絡してお店に来てもらうことにした。

幸いにも彼の事務所はすぐ近くであり、今日は空いていたので即来てくれるとのこと。


店に戻ると取引しない旨を伝えた担当者はかなり顔色が悪くなっていたが。
お嬢さんの山本さんはまだこの事態の悪さを分かっていない。


綾乃を上手く退けたとでも思っているのだろう。
確かにかなり傷つけたと思うが。

それを俺がそのままにする訳がないのに。
どうやら見かけだけしかこのお嬢さんは賢くないようだ。

俺は担当者の２人にはこのままこの旨を上司に伝えるべく同席する様に指示し、山本さんを鋭く睨みつけた。

そんな俺に担当者も山本さん本人も驚いているが、そんな事構いはしない。


そこに弁護士でフランスでも日本でも両方の弁護士資格を持ち国際弁護士の肩書きも持つ友人ケントが現れた。
彼は父がフランス人で母が日本人のハーフだ。
大人になってから日本にも留学しこちらでも弁護士の国家試験をパスしたエリートだ。

「ケントこちら山本商事のお嬢様だ。何を思ったか数日前の俺のデートの邪魔をした挙句に俺の大切な彼女にさも自分の方が俺の相手だと見せつけるべく、俺が彼女に贈っていた指輪と同じ物をして、更に彼女の行動を把握するために彼女の近辺に誰かをつけこの場所に彼女がいるのを把握して見せつけるように俺にくっついて張り付いてお揃いの指輪をしてるように見せてきたんだ。」