風の旋律
落ちてきた鉄骨は、大事に至るところには当たらなかったから、心配はいらないと亨さんは言った。
でも僕は島村先生に無理を言って、先生の車で音羽の運ばれた病院まで付いていかせてもらっている。
命に別状はないとはいえ、音羽の顔を一刻も早く見たい。
………僕は無力だと、分かってはいるけど。
ようやく病院についた頃には、すっかり日もくれていて、辺りはもう闇に包まれていた。
やけに冷静な頭で、施設に遅くなると連絡をいれた。
これから、僕はどうなるだろうか。
音羽は……
何を思っているだろうか。