風の旋律
「来ないで。」
冷たく、生気を失った声が突き刺さった。
「帰って。」
音羽から、声が出たことで、僕はついに現実を直視した。
僕の目線の先にあるはずのもの…………
「帰ってよ……。」
カーテンを開けてすぐに目に入るはずのもの…………
「お願いだから…………」
震えて、涙が零れる君の瞳を覆うはずのものが………
「もう………私を見ないで…………。」
音羽の左腕が………………
………………ない
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