風の旋律
距離
文化祭翌日。
僕は結局、友達と合流はできたものの、満足に遊ぶことは出来なかった。
理由は簡単。
三上さんと話してて遅れた。
と、三上さんとメールしてて、落ち合うのに時間がかかった。
ということ。
学校以外の後夜祭とかは、施設に迷惑がかかるためパスする。
でも、そんな事情を知ってる奴は、友達にはいない。
施設に帰ると、僕より年下の子供達が喜んで走り寄って来る。
施設の先生方は、後夜祭に行っても大丈夫だと言ってくれていたが、
正直、あそこまでハッちゃけようとは思えない。
「祐介!お前なんで後夜祭来なかったんだぁ?」
「そうだよ!楽しかったぞ!こいつさぁ……」
ムダに絡んでくる友達を、苦笑いで軽くあしらう。
ブブブ……
ポケットで、携帯が震えた。
=三上 音羽=
三上さんからメールだ。
「おっ。祐介、メール?誰から?」
『あぁ…、他校の奴。』
三上さんの方が、メアドを交換しようと言い出したのだが、
同時に、メールをしていることは、誰にも話すなとも言われていた。
なぜかは知らないけど。
友達から離れたところでメールをひらく。
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from.三上 音羽
今日、夜、暇な時間ある?
別に会いたいとかじゃないから。
教えて。
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