風の旋律
「キャー!!帝悟ぉ!!ばかぁ!!」
「がおーー!!!」
「キャハハハハ!!」
食事が終わり、食器を中丸さんに託した子供達は、ちょっとした広間、まぁ遊びのスペースに突っ込んで行った。
『中丸さん。僕も手伝いますよ。』
「あら、いつも悪いわね祐介君。」
『いえ。』
この施設の中では最年長の僕は、できるだけ先生方と同じように仕事をするようにしている。
「……で、何か良い事あったんでしょ?
アタシに話してみなさい!恋の相談ならいつでも聞くわよ!」
『はは、大丈夫です、そんなんじゃないんで。ありがとうございます。』
中丸さんはパワフルな人だ。
中丸さんは、住み込みでここの仕事をしている。
中丸さんは、過去に結婚した人との間に子供ができず、原因が自分にあると分かって離婚したらしい。
もともと子供好きだった彼女は、先生方も含め、僕らを本当の子供のように思ってくれている。
良き相談相手になってくれる中丸さんには、すごく感謝している。