風の旋律
「え~皆さん!おはようございます。」



僕が混乱しているうちに、三上亨様がお話を始められた。


なんて良い声なんだ……


「『おはようございます!!』」



僕は誰よりもデカい声で挨拶をした。


周りの友達は、いつもおとなしい僕のギャップにクスクス笑っていた。



舞台の上の音羽も、心なしか笑っている気がする。




「私は今、ルクセンブルグで、次のベートーベンのCDの製作をしています。

今は私の出番はないので日本で三か月程、待機をしています。」


ベートーベン………

ショパンじゃないのか…

でも買いだな!



「え~、いつも音羽がお世話になっています。

ここの校長先生とは旧友でして、旧友と言っても、私が先生の後輩としてお世話になっただけですが……

なので、皆さんと校長先生へのお礼も兼ねて、しばらく皆さんの音楽の授業に参加させていただきます。」






なにーーーーー!!??



非常事態だ!!!!


たしか僕の芸術選択は美術だ!!!




なんてことだぁぁ………







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