風の旋律
「上川君て、ピアノ弾けるんでしょ?」
イキナリそんな質問をした彼女は、僕の目を真っ直ぐ見つめた。
『弾ける……けど、そんなに上手くないよ。
今はもう弾かなくなったからね。』
「へぇ…。」
目を逸した彼女は、それ以上なにも話さなかった。
僕も、早く仕事を終わらせて、友達と合流して、文化祭を楽しみたい。
2年生の僕にとって、今年の文化祭は、特に“思い出作りたい”とかいう願望はないが、僕は大学に進学したいと思っているから、来年のこの時期は勉強尽くしだろう。
楽しむどころじゃない。
その分、今年は春から遊びまくっている。
「祐介!!もう合流できる?」
舞台裏に、同じクラスの奴が入ってきた。
『ごめん、まだ無理!終わったら連絡するから、先に回ってろよ!』
「りょーかいっ!!早くなぁ!」
………音響係は大変だ。
ふと、彼女を見ると、用意されていた椅子に座って、小さな窓から外の景色を見ていた。
とても寂しそうな目をしていた。
イキナリそんな質問をした彼女は、僕の目を真っ直ぐ見つめた。
『弾ける……けど、そんなに上手くないよ。
今はもう弾かなくなったからね。』
「へぇ…。」
目を逸した彼女は、それ以上なにも話さなかった。
僕も、早く仕事を終わらせて、友達と合流して、文化祭を楽しみたい。
2年生の僕にとって、今年の文化祭は、特に“思い出作りたい”とかいう願望はないが、僕は大学に進学したいと思っているから、来年のこの時期は勉強尽くしだろう。
楽しむどころじゃない。
その分、今年は春から遊びまくっている。
「祐介!!もう合流できる?」
舞台裏に、同じクラスの奴が入ってきた。
『ごめん、まだ無理!終わったら連絡するから、先に回ってろよ!』
「りょーかいっ!!早くなぁ!」
………音響係は大変だ。
ふと、彼女を見ると、用意されていた椅子に座って、小さな窓から外の景色を見ていた。
とても寂しそうな目をしていた。