風の旋律
「音羽がお世話になっているようだね。ありがとう。
気が強くて扱いずらいだろう。」
おどけた表情の亨さん。
こんな亨さんが見れるなんて………
幸せだぁ………
「お父さん!私、気強くないわよ!」
また膨れる音羽。
気を許した人と一緒だと、音羽はこんな風になるのか。
学校ではクールで大人っぽいイメージだけど、ホントは素直じゃなくて、甘えるのが下手なだけなんだよね。
「祐介くん。ところで君は、私のどんな話が聞きたいのかな?」
音羽を適当になだめた亨さんが僕に声を掛けた。
『は、はい!え~…聞きたい話はたくさんあるんですが…
いざ目の前にすると、会えただけで幸せだなぁって思って……ははは…。』
本当にそう思った。
目の前にいる亨さんは本当に本当に素敵すぎて……
もう充分満たされてます。
「ははは。ホントにないのか?面白い子だなぁ。」
「お父さん!祐介はピアノ弾けるらしいよ!」