風の旋律
『……僕……またピアノ弾こうかな。』
「…うん。良いと思うよ。」
電話の向こうの優しい音羽の声が、僕の背中を押したようだった。
自分の手を見つめた。
僕は………ピアノが弾きたいんだ。
「祐介…私……。
祐介のピアノ聞きたいし、連弾もしてみたい。
だから……たまに一緒に弾こうよ!」
また音羽の提案にビックリした。
『一緒にって…どこで?』
「それは……学校?」
『え?学校じゃ他人のフリじゃないの?』
「放課後なら大丈夫でしょ?」
なんか………
音羽はよく分かんない時があるなぁ……。
結局、承諾した。
なんか……なんとなくだけど……
音羽とピアノを弾かなきゃいけない気がした。