風の旋律
「背中押してほしかっただけなの。
ありがと…祐介。」
『……いや、』
「おっ?お前ら何してんだ、ここで?
もう朝のSHR終わってるんじゃないか?」
僕の言葉を遮ったのは、音楽準備室から顔を出す、音楽科の島村先生だった。
音羽にも気を遣わない、フレンドリーな若くて爽やかな男の先生。
女子生徒から人気があるらしい。
『スイマセン、サボりです。』
そう言った僕を驚いて見上げる音羽。
「なに、その表現!私はサボったんじゃなくてサボらされたんでしょ!」
音羽???
キャラ違う……
というか。僕と2人の時になってる。
『音羽……。』
あっ!思わず音羽って……。
「祐介のバカ!私もう教室戻るから!!」