風の旋律
バタンとドアを閉めて帰って行った音羽。
その顔が真っ赤だったのを見つけた僕は、自然と笑っていた。
「どーした?何笑ってんだお前??
ていうか…あんな子だったんだなぁ、三上。
ちょっと話しやすくなった。」
そう言って準備室に戻った島村先生。
僕は、嬉しさ半分、寂しさ半分の複雑な気持ちだ。
友達…か。
僕は音羽の友達。
きっと音羽には、女子の親友だってできるだろう。
僕はそのきっかけになって…
いつの間にか必要無くなっていく。
今も必要な存在ではないんだろうけど。
僕は分かる。
この気持ちが“恋”ではないことを。