風の旋律
それから数日。
音羽との電話は、前よりも短くなった。
ただ、学校で見掛ける音羽は、よく笑っていたから、僕も前より心配しなくなった。
音羽は本当は人懐っこい子だから、男子人気も上がっているらしい。
まぁ…ね。
音羽は可愛いしね。
3組から徐々に広がっている“音羽は可愛い”という話。
そろそろウチのクラスにもくるかな。
「おい!聞いたか?
3組の三上音羽の話!!」
勢いよく教室に乗り込んで来た、僕の友人A。
朝から騒がしい……
こいつが今から何を言いたいのか、僕はなんとなく察しがついている。
「三上音羽は!
このクラスに彼氏がいるらしいぞ!!!」
へっ?