風の旋律
思わずイスから飛び上がった僕。
一瞬静まる教室。
『あ…。
朝からお腹下してて……トイレ!』
教室を飛び出した僕。
背中から笑い声が聞こえた気がする…。
僕はトイレに駆け込み、個室に閉じこもった。
無論、お腹下してなんていない。
携帯を取り出すと、メールを作成した。
送信相手は音羽。
でも…………
僕はもう必要ないんだから…
誤解が広まっても、弁解なんてしなくて平気だ。
僕と音羽は距離を置くようになるだろうし。
僕は携帯を閉じて、何もない天井を見つめた。