風の旋律
“おんぷちゃん”?
まるで少女漫画かなにかのキャラクターの名前みたいだ。
「どう…………して………?」
震えた音羽の声には、驚きと困惑が入り交じっていた。
「“おとわ”の“わ”が言い辛くてさ。
漢字だけひとつ残して、あとは可愛くアレンジしたあだ名だよ。
“三上さん”とか、‘ちゃん’とか‘君’とかは亨さんと被るからさっ。」
「そんな………嘘よ………」
おびえた声。
先生のおどけた口調と全く正反対だ。
「名字が変わったんで気付かなかったかな?」
「いや………そんなこと………」