風の旋律


“扉が開く”



そう思っても、僕の体は動かなかった。





ガチャッと音がした瞬間、僕の体は咄嗟に壁にへばり付いたようだ。




扉と壁に挟まれた僕に気付かずに、乱暴に扉を開け放ったままの音羽は走り去って行った。





反動でゆっくりと閉まっていく扉。







僕は同じ位ゆっくりと、










音楽室に足を踏み入れた。










< 68 / 139 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop