風の旋律
次の日
「祐介!三上さんに友達宣言したってマジ!?」
やっとうちのクラスまで噂が広まったらしい。
これで、音羽にも声をかける人が増えれば、僕の思惑通り。
『まぁね。三上さんのピアノのファンだから、僕。』
「初耳なんだけどー!
祐介、クラシックとか興味あったんだなー。」
まぁ、ピアノ弾かなくなったからね。
『ショパンが一番好きなんだよね。』
「そーいや、三上さんもショパンの申し子とか言われてたな。
でも待てよ。三上さん、文化祭でショパン弾いてたっけ?
プログラムには書いてなかった気がすんだけど。」
『…弾いてないよ。』
まだ弾けないんだよね。
「まぁ、クラシック分かんないし、いっか。」
そのまま自分の席に戻っていった、クラスの友人B。
名前……
覚えてないや。