【完】学校1のモテ男と同居はじめました
千歳くんの気持ちは嬉しい。
けど…私には答えられない。
千歳くんはそれが分かってたみたいに。
「答えはもうわかってるし、これ以上の関係は望んでない。
ただ、気持ちを伝えて終わらせたかっただけ。」
…ドクン。
千歳くんの瞳が揺れる。
千歳くんの表情が切なくて、涙が出そうになった。
「…だから最後に、お願い聞いてほしいんだけど。」
「えっ…?」
千歳くんはそう言うと、私の手を引っ張って引き寄せると、その長い腕を私の背中に回した。
千歳くんの石鹸の香りに包まれる。
「…ごめん。もう少しこのままでいさせて。」
ぎゅっ…
千歳くんの腕が強くなって。
ーーキーンコーンカーンコーン…
授業の終わりを知らせるチャイムがなる中、空き教室に二人きり。
千歳くんの腕の中で、お願いを受け入れるように私は静かに目を閉じた。