御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~
なんと始がベッドの側にやってきて、微笑みながら早穂子を見下ろしているではないか。
「あ……いえ……なにもないです」
なにもないわけはないのだが、昔あったことがあるのだと言うのは恥ずかしい。
思わず両手で顔を覆うと、始がベッドに腰を下ろして大きな手で頭を撫でる。
「ふぅん……俺の事かな? だったら嬉しいけど」
「っ……」
相変らずの勘の良さで嫌になってくる。
「もうっ……」
溜息をつくと、始が笑ってそのままゴロンと体を横たえてきた。
「こっちにおいで」
そして早穂子の体を抱き寄せると、強引に腕枕をしてしまった。
彼はシャワーを浴びて、着なれた感じのカットソーとデニムに着替えている。一方早穂子は裸のままだ。おたがい裸ならまだしも、一方が完全に着衣だとなんだか無性に恥ずかしい。
「私もシャワーを……」
身じろぎした早穂子に「後でいいじゃん」と始は言って、早穂子のおでこの生え際あたりに顔をうずめた。
「ああサホちゃん、いい匂い……甘くて……あったかい……また興奮してくる……」
「えっ……」