御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~
「しゃっ、シャワー!」
「えーっ、いいよ、あとで……」
始はあっさりとそれを却下しつつ、早穂子のスーツのジャケットのボタンを外す。
「い、いやっ、よくないですっ!」
憧れの人ににおうなんて思われたら楽しむどころの話ではない。
正直言って、死んだほうがましだ。
早穂子はプルプルと首を振ったが、始は抵抗する早穂子の手首をつかんでシーツにおしつけ、ペロリと早穂子の首筋をなめた。
「気にしないで……きみ、いい匂いするし、おいしそう……早く食べたい」
始の舌の感触は柔らかく、早穂子はそれだけでゾクゾクと体が震えたが――
やはり乙女心はそれを許さなかった。
「やっぱりだめです! すみませんっ!」
早穂子はグーッと始の上半身を押し返すと、そのまま慌ててバスルームへと駆け込んでいた。