御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~
すると始は腕立て伏せするようにして起こしていた腕をそのままおろし、シーツの上に腕を組んで、うつぶせにねそべる。
「キミはぐっすり眠れて、俺は気持ちよかった」
「――え、眠れ……え?」
眠れた?
気持ちいいって?
上半身を起こし、きょとんとする早穂子を見て、始はにっこりと笑う。
「これって、ウィンウィンの関係ってやつだよね」
「う……うぃん?」
そして始は相変わらず目を丸くしている早穂子の腕をつかんで、引き寄せる。
「きゃっ!」
気が付けば早穂子の体は仰向けになった始の体の上に、またがるように乗せられていた。
シーツの下に隠されていた始の体は完全に裸だった。
磨き上げられたようなかなりたくましい体は、どこか王子様風の容貌をしている始の顔とのギャップを感じさせたが、それよりもなによりも――。
太もものあたりに感じるアレに、顔がどんどん熱くなっていく。
(これってもしかして……)