御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~
「……もうっ……」
早穂子の濡れた瞳が、始を見上げて震えた。
深い快感の波がすぐそこまで押し寄せてきている、早穂子の頭を抱えるようにして、からかうような口調で始はささやく。
「もういっちゃうの? 早くない?」
本当は始だって限界が近かったが、自分ばかり溺れているような気がして、そんなことを口にしたのだ。
その瞬間、早穂子の腕が始の体にぎゅっとからみつく。
「可愛い……」
そんなことをぽつりと口にしてしまうくらい、早穂子を可愛いと思った。
(可愛い、可愛い……)
「ね、……チューしよ」
返事は聞かなかった。
覆いかぶさるようにキスをして、それからぎゅっと彼女の体をシーツの上に押し付けていた。