御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~
早穂子としては精いっぱい、ナチュラルなつもりだったのだが、始が驚いたように目を丸くしたので、恥ずかしくなる。
「そこは流しましょうよ……」
「いや、流せないでしょ。サホちゃんが俺の名前を呼んでくれた記念すべき第一回だ」
始は機嫌よく笑うと、抱きしめていた腕を緩めてベッドから降りて、下着だけ身に着ける。
「じゃあごはんの前に一緒にシャワー浴びる?」
「やめておきます。お先にどうぞ」
一緒に入ったら、シャワーを浴びるだけでは済まない気がする。
早穂子は首を横に振った。
「残念」
始はフフッと笑って、そのままバスルームへと向かっていった。
完全に始の姿が消えてから、早穂子も下着をつけてルームウェアに着替える。
そしてクローゼットの中から、紙袋を取り出した。
中には始のために買った下着やルームウェアが入っている。
「これ、出したらまずいかな……」