御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~
「ほんとに?」
始が軽く首をかしげて、顔を覗き込んでくる。
「本当ですって」
早穂子は笑いながら、うなずいた。
(なんだか男女逆みたい……)
小悪魔な彼女を持った男の子はこういう気分なのだろうか。
振り回されるのも、ある意味恋の醍醐味なのかもしれなかった。
「あ、そうそう」
そこで始が思い出したように顔をあげる。
「GWだけど、なにか予定ある?」
「GWですか? いえ、特に……」
実家に帰ってこいという連絡はちょいちょいあるが、都合が悪いとずっと突っぱねている。
そして実際のところは、都合が悪いどころか、予定は真っ白なので、部屋の模様替えでもしようかと考えていた。
「よかった」
始はホッとしたように笑顔になる。