御曹司の蜜愛は溺れるほど甘い~どうしても、恋だと知りたくない。~
大きな手のひらが、早穂子の胸を下から優しく持ち上げた。
「あっ……」
早穂子は身じろぎするが、始はクスクスと笑いながら手を離さない。
彼の言うお手伝いは、確かに魅力的で、早穂子を眠らせてくれそうだが、そう一日に何度も愛されては、正直言って体がもちそうになかった。
「いっ、いいです。お手伝いいりませんっ……」
官能的な手つきを振り切るように、早穂子は顔を真っ赤にしながら布団の中に体を滑り込ませ、目を閉じた。
「残念」
だが始もそれほど本気だったわけではないらしい。笑いながら、早穂子の隣によりそって後ろから抱きしめるようにして腕を回す。
「ところでいつも何時起きなの?」
「七時です。時間になったら起こしますから、大丈夫ですよ」
「了解……おやすみ、サホちゃん……」
早穂子の首筋に顔をうずめ、始はふわっとあくびをする。
しばらくして、すうすうと寝息が聞こえてきた。