秘密の陰陽師 【肆】上




「あ!本当だ時間やばい!
本当にすみませんでしたっ!
先輩、お詫びはまた今度します!」




舜の声にハッとした様子でガバッともう一度頭を下げて風のように走っていった




「あはは…なんだか忙しいねあの男の子」




私は立ち上がりながら少し笑った




「葵、手…怪我してるけど大丈夫なんか?」




心配そうな顔をした拓海が私の顔を覗き込んできた





「かすり傷だからこんなの平気だよ」




尻もちをついた拍子に手をついちゃって血が滲んでいた




ちょっと痛むけど、陰陽師をしていたらこんな傷でいちいち手当なんかしていたらキリがない



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