秘密の陰陽師 【肆】上
多田一平side
目の前でグッタリとしている女子高生
名前は一ノ瀬葵
この子は美人で学校では知らないものはいないぐらい有名だ
容姿艶麗、頭脳明晰、そのうえ誰にでも分け隔てなく優しく接する彼女
目を閉じている今でさえも美しいことがわかる
俺がこの子に近づいたのはある事をするためだ
さっそく作業に取り掛かるため一ノ瀬葵を床に寝させた
俺は印を組み
「精霊なるガーネットよ今ここに灯火と現わん」
そう唱えると一ノ瀬葵の心臓が青く光った
その光を見た時、今まで俺がしてきた事の全てに意味があるように思わせてくれた
緊張と興奮、歓喜、様々な感情が入り乱れる
「やはり…あなたが灯していたんですね」
小さくて白い顔をそっと撫でた