秘密の陰陽師 【肆】上
そして
「起灯」
俺がそう唱えると青の光はゆっくりと回り始めた
4.5回、回った頃だろうか
回っていた光は止まり、心臓のある場所から青くて綺麗な6角形の形をした宝石のようなものが浮き上がってくる
「これが…青のガーネット」
あまりの美しさに俺は言葉を失った
青く光る宝石は今まで見てきたどの宝石もかなわないぐらい澄んだ色をしていて
"伝説の宝石"
そう呼ばれるものに相応しい物だった
最高の力を持ち最高の容姿を持つ少女に宿される最高の宝石…その美しさにゴクリと唾を飲み込んだ
もう少し見ていたいが俺にはあまり時間はない
明日からどんな力を見せてくれるのだろうか?
俺は…どんな手を使ってでもこの作戦を成功させなければならない
一ノ瀬葵…何も知らずして産まれてきたのだろう
何の罪もない子を犠牲にするのは気がすすまない…が、こればかりは仕方がない