秘密の陰陽師 【肆】上
「ところで葵は?」
拓海はそう言って周りをキョロキョロ探し始める
「少し遅いな」
璃玖の表情が少し重くなる
時計を見ると5分はとっくに過ぎていた
まさかメール見ていないのか?
「俺葵に電話してみるわ〜」
そう言って拓海は携帯を取り出し葵に電話をかける
「〜〜おかけになった電話番号は…」
拓海の電話からそんな音声が流れた
ドクっと心臓がまた嫌な音をたてた
「あれ〜?おかしいなー?
葵なんで出やんのやろか?」
拓海は携帯をポケットに片付けながらそう言った
「迷ってるのか?」
柊がそう言うと
「いくらぬけている葵でも音楽室に来るのに迷うか普通?」
璃玖は深刻そうな顔をしてそう言った