秘密の陰陽師 【肆】上
「はぁ…さて、どうするかな」
ベッドに寝ている葵の元に向かい俺もベッドに横になる
まるで子供の様にスヤスヤと眠っている葵の顔を見つめた
「いなくならないでくれよ…」
気づけば俺の口からはそんな言葉が漏れていた
少し力を入れたら折れてしまいそうな身体
この小さな身体に俺は今まで何度助けられたか分からない。
あまりに大きい力をコントロールするために幼い頃からきっと血の滲むような修行を積み重ねて来たのだろう。
胸を張って言えるようなことなのに「あたしなんて舜に比べたら足元にも及ばないよ」って言うんだ。
そんなことあるはずがないのにな。周りに人がいる時、2人でいる時でさえも一歩下がって俺を支えてくれる。
どれだけいい女でもこんな女は世界中を探してもきっと葵だけだ
「ん〜…しゅ…ん…」
葵が甘えたような、寝ぼけているような、そんな声を出して抱きついて来た
まさか今の言葉聞かれていたのか?
葵の顔を見るが…ぐっすり眠っている
寝言で俺の名前呼んでるのか?
ったく…どこまでお前は可愛いんだよ
そっと葵の口にキスを落とし、俺も眠りについた