秘密の陰陽師 【肆】上
「それで?陰陽師や俺たち能力者にとって最も危険とみなされるものをなぜ陰陽師組織が開発したんだよ?」
璃玖はまだ冷静を保っているようで、柊にそう聞いた。
「はい。このセアロマの発明は通常であれば世界的に発表しなければならない今世紀最大の発明と言っても過言ではありません。
でも少なくともアメリカはセアロマの存在を隠したと言う事実があります。その理由を探るには圧倒的に時間が足りません」
柊が全てを言い終えると俺たちの間に長い沈黙が流れた。
「・・・っ俺息してた?
びっくりしすぎて死ぬかと思ったわ」
長い沈黙を破ったのは拓海だった。
て言うかなぜ柊はアメリカの国家機密まで分かってしまうのだろうか?
「一体お前は何者なんだ…?」
気づけば俺の口からはそんな言葉がでていた
「まあ、長いこと忍をしていたらこれぐらいの事は出来るようになる。」
柊はサラッとそう言うか…普通は出来るようになんてならないだろ。
しかも柊は俺たち能力者と違って普通の人間だ。
並大抵の努力じゃこんなスペシャリストにまでならない。