秘密の陰陽師 【肆】上
どうしようか迷っていると
「いや、これは妖だとかまだ決まったわけではないが妖界の王である九尾様には知らせておくべきじゃないか?」
そう言ったのは璃玖だった。
璃玖の顔を見ると何かをわかっているようなそんな表情で軽く頷いた
俺はフッと笑った。
さすが璃玖だよ。
何も言わなくても分かってくれる。
柊も何か感づいたように俺の顔を見て頷いてくれた
璃玖も柊も人の表情を見て察すると言う点では普通の人間よりはるかに優れている。
助かったよ…2人がいて。
「葵、頼めるか?」
俺がもう一度そういうと
「わかった!私が金狐を連れてくる!」
そう言うと、席を立ち何やら嬉しそうに
「行ってきまあす」なんていいながら教室を出て行った。
「で?何があったんだ舜」
葵が教室を出るなりすぐに璃玖がそう聞いてきた。
「え?なんや?何かあったんか?」
状況を読めていない拓海がそう言った。
「拓海、今から大切な話しをする。驚くと思うが何も言わずに聞いてくれ」
拓海の目を見てそういうと、この事態を感じ取ったのかニコニコしていた顔が一気に真剣な顔になり、「ああ、わかった」と返事をしてくれた