秘密の陰陽師 【肆】上
「お前なんで俺達に頭なんて下げてんだよ」
呆れたような柊の声が聞こえた
「そうやそうや!葵のこと話したら俺らが離れるとでも思ったんか!
俺らの絆はそんなもんと違うやろ!
何も頭ら下げることあらへん!」
少し怒ったような口調で拓海がそう言った
頭をあげると3人と目があった。
そして最後に
「なあ、俺たちは仲間だろ?苦しいことや悩んでいること、お前が全部1人で抱え込まなくていいんだよ。溜め込んでしまうのは舜の悪いところだぞ。何があっても俺たちは離れていかない。信用しろ。俺たちを。」
静かに、でもとても力強く、璃玖がそう言った。
バカだ俺は。
3人を信用していなかったわけじゃない。
でも今の葵のことを話すと離れていってしまうかもしれないと心のどこかで思っていた自分がいた。
「ありがとな…。
お前たちがいて本当に良かった」
目の前の3人をみて俺はフッと笑った
「何があっても葵のことは俺たちで守るぞ」
璃玖はそう言って手を差し出した
「俺も力になれるなら全力で葵を守るよ」
何か覚悟を決めたような表情の柊も璃玖の手の上に自分の手を重ねた
「もちろん、俺もやで」
ニカッと笑って拓海も手を重ねる
そして最後に
「俺もだ」
そう言って皆の手の上に自分の手を重ねた。
少し…いや、だいぶ気が楽になった。
本当に打ち明けてよかった。
俺たちは顔を見合わせて静かに頷いた