秘密の陰陽師 【肆】上
「ん…」
目を開けると知らない天井が映る
ここはどこ…?
ベットから起き上がろうとするけど…
「いた…っ…」
ひどい頭痛に襲われる
体に負荷をかけないようにゆっくりと身体を起こした
身体がすごく重い
周りを見渡すとどうやらここは病室のようだ
枕元の壁に〈一ノ瀬葵様 本日より入院〉
と書かれたプレートが下げられていた
入院…?私入院しているの?
何があったんだっけ?
目をつぶり、記憶を辿る
私の目の中に浮かんできたのは
酷い攻撃を受けて消滅していく妖たちの姿
パッと目を開ける
「っふ…っ…」
また涙が溢れてくる
そうか…あたし…そうだった
私…罪のない妖たちを消滅させちゃったんだ
溢れてくる涙は止まらない。
頭がガンガンして吐き気のようなものも襲ってくる
ベットの布団に顔を埋めて声を押し殺しながら泣いた