秘密の陰陽師 【肆】上
「あと1人は誰なんや?」
さっきよりは落ち着きを取り戻した様子の拓海がそう聞く。
もしかしたらそいつなら何かわかるかもしれない。
「あぁ…もう1人はうちの学生だ。
確かあいつは…入学式の時葵にぶつかった男の子…だと思うんだが」
入学式?
あぁあの子か…葵の笑顔に顔真っ赤にしてたやつ
「あの顔真っ赤にしてた男の子か?」
拓海も思うことは同じらしい
そいつの印象が顔真っ赤って…すこし笑えるな
「俺の見間違いじゃなければそうだと思う」
柊の情報だ。体育館から見ていたのはまず間違いなくそいつだろう。
「俺たちが戦った時は授業中だろ?
体育館にいる事自体おかしくねえか?」
璃玖の言葉に柊が頷く。
「何にせよその2人がこの事件に関わっているとみるのが妥当でしょう。俺は帰ってその2人について調べてみます。」
「ありがとうな柊」
本当に柊には感謝しかない。
柊は何があっても絶対に顔にはださない。
でも目の下にはクマができてきて、この1週間ほどですごく痩せたように思う。
仲間のためにわざわざアメリカにまで行くやつなんて普通いるか?
冷めているように見えるが人一倍情熱的で仲間思いなんだよな