秘密の陰陽師 【肆】上
「いひゃい…」
言葉がうまくでない
ほっぺた取れちゃうよ
「強がらなくていい。分かったか?」
そう言われ、必死で首を縦に振った
「よし、いい子だ」
そう言って舜はフッと笑った
本当に痛かった!割と強めにつねられた!
舜が後ろを向いた隙にバレないようにキッと睨んでおいた
「葵ちゃんもやるようになったね?」
そう言いながら振り向く悪魔
何なんでわかるの?!
あんたは後ろにも目がついてるのかい?
素直にそんな疑問が生まれた
「なな…なによ…なにもしてないじゃない」
そんなバレバレの嘘をつく
顔がひきつるのが分かる
「今日のところは許してやる。
それよりお風呂はいるか?
病室を出てすぐ左に小さいが浴槽がある。
気分もスッキリするぞ」
そう言ってくれるのは嬉しいんだけど…
「着替えないし…」
お母さんたちが海外出張中だしおじいちゃんは金狐に呼ばれて妖界の取り締まりに出かけてるし…
「俺がとって来る。
確か葵の家鍵閉めないんだったよな?」
私の家はおじいちゃんの強力な結界に包まれているから認められた人以外は絶対入れない仕組みだから鍵は必要ないの。
でも…私の下着とか舜に全部見られちゃうのはやだな
でもお風呂も入りたいしなぁ…
うーんと悩む
「どうせ下着を見られたくないとか思ってんだったら悩むだけ無駄だ。お前の下着なんていつも見てるじゃねえか」
ニヤッと笑ってそう言う。
「なっ…うるさいっ。
なら早くとって来てよもう!」
もう!
どうしてそう言うこというかなほんと!
「はいはい。とって来ますよお嬢様。
20分ぐらいで帰ってくるから待ってろよ」
そう言って私の頭をクシャッと撫でて病室を出て行った