秘密の陰陽師 【肆】上
喉かわいたなあ…
部屋にはコーヒーも置いてくれてるんだけどお水が飲みたいなあ…
よし、病院の探検がてら飲み物を買いに行こう
消灯台に置いてくれているカバンから財布を取り出して部屋を出ようとした時
コンコンコンと扉を叩く音がした
「はーい」
返事をすると扉が開いた
「一ノ瀬が倒れたと聞いて驚いたよ。
身体の方はもう大丈夫なのか?」
扉の前に立っていたのは私の担任、多田先生だった。
「先生わざわざ来てくれたんですか?
今日は学校のはずじゃ…?」
「あぁ学校もあったが今日は一ノ瀬にとても大切な話があるんだ」
大切な話?なんだろ??
成績の話とか?
今回のテストでは落としてなかったはずだけど…ってあれ?なんか前にもこんな事があった気がする
記憶をたどってみても思いだせない
何かの記憶違いかな?
「とりあえず中に入りますか?」
せっかくお見舞いに来てくれたのに扉の前で立ったままじゃ申し訳ないし話があるならソファで話した方がいいよね
「ありがとう。失礼するよ」
部屋に置いてあったコーヒーを出して先生と向かい合わせにソファに座る
「それで、大切な話って?」
「あぁそうだな。早速話そうか。
今から俺が話す事はきっと一ノ瀬を混乱させてしまうと思うんだ。だけど俺は事実を伝えておきたい。お前を守りたいんだ。ゆっくり話すから落ち着いて聞いてくれ」
すごく真剣な表情でそう言われる
私を混乱させること…?
私を守りたいってどういうこと?
色々疑問は出るけど今は先生の話をおとなしく聞くことにした。
「分かりました」
そう言って私は先生の目を見た。