秘密の陰陽師 【肆】上

葵side





先生が病室を出てから10分が経った頃、扉が開いて舜、璃玖、拓海、柊が入ってきた。




「葵おはよう!
目覚めたて舜に聞いてすぐ飛んで来たで!!」




ニコニコと嬉しそうにそう話す拓海。




「お前朝からうるさい…」




舜の迷惑そうな声も聞こえる…




「体調はどうだ?」



璃玖は優しく声をかけてくれる




頭がボーッとする




話したくても喉から言葉が出てこない。




ゆっくりと皆の方を向くけど…焦点が合わない




皆の姿がぼやけて見える




「あおい…?」




私の様子に気づいた舜が近づいてくる










"お前は必ず高田を傷つける"










先生の言葉が頭の中でループする




「いや…こ…ない…で…」




私は舜や皆を傷つけたくない…




それだけは、どうしても嫌なの…



「…どうした?」




舜が小走りになる




だめ…私に近づかないで…




きっと私は舜を傷つけちゃう




それだけは絶対ダメなの





来ないで…お願いだから…傷つけたくないよ




グッと手に力が入る




「やめてっ!!」




そう言った瞬間、私の体に電流のようなもの走った。




そして







「…っ」







目の前にいる舜がゆっくりと崩れ落ちた。



< 191 / 226 >

この作品をシェア

pagetop