秘密の陰陽師 【肆】上
「あお…い…」
はぁはぁと、息をするのも苦しそうな舜と目が合う
「大丈夫だ…葵のせいじゃない…」
そう言う舜はニコッと笑っていて。
どうして…笑ってるのよ…
そんなに血が出てるのに…
そんなに苦しそうにしているのに…
私が傷つけたのに…
胸を裂かれた気分だった。
気づけば病院を飛び出していて。
「あおい!!!!」
後ろで柊の声が聞こえたけど振り向くことなく走りった。
外はザーッと雨が降り続く。
どこに行くという当てもなくただ走った。
涙が溢れてくる。
ただひたすら走って気づけばどこかの森の中まで来ていた。
雨のせいで足元がぬかるんで歩きにくくなっていて、その場にしゃがみこんだ
「…っひくっ…ふ…っく…」
私何してるんだろ…
私を大切にしてくれた舜を傷つけて。
それなのにその場から逃げたりして。
もうみんなに合わす顔がない…
私、最低だ。
消えてしまいたい。
突然意識がフッと飛ぶような感覚に襲われる
抗うことなく、私のその場に倒れた。