秘密の陰陽師 【肆】上




「あの、俺の持っている情報、お役に立てるか分かりませんが今言わせてもらってもよろしいですか」




そう言って手を挙げたのは新田君だった。




「何かあるのかね?!」




舜のおじいちゃんが食いつく。




「セアロマが初めに体育館にばらまかれた日から俺はずっと一ノ瀬葵さんを見張っていました。

何のためにセアロマがばらまかれたか、誰が何のためにセアロマを用いたのか。そして誰が葵さんのガーネットを起灯させたのか…今日全てのことが分かりました。」




新田君の言葉にゴクリと息を飲む





「知っているのか…?」




舜が驚いたように新田君を見る。




「封印屋は情報集めが基本ですから…。

今日、舜さんが病室を出てからすぐある人が葵さんの病室に来たんです。」




「誰やそれ!」




拓海が身体を乗り出してそう聞いた




「多田一平、だろ?」




その返事が返ってきたのは俺の隣からだった




俺の隣にいる柊はまっすぐと新田君を見つめる




情報集めに関してプロ並み…つまり新田賢人と柊はある意味同職種だ。



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