秘密の陰陽師 【肆】上




「その通りです。病室に来たのは葵さんの担任である多田一平です。

彼はアメリカの陰陽師最大組織、DARKSの一員です」



「DARKSだと…?」




舜のお父さんは到底信じられないといった表情をしている




「DARKSはガーネットの反応が消えた日からも密かにずっと探していたんです。

そして今年、何らかの理由で葵さんが灯しているとの疑いがかかった。


多田はその日にアメリカから派遣され、葵さんに近づいたんです。

葵さんが学校で倒れていた日、ありますよね?
その日葵さんと会っていたのは多田です。

多田は葵さんを眠らせ、ガーネットを起灯させた。


陰陽師である彼はそのあと葵さんの記憶を消して何事もなかったかのようにその場を後にした。

だから葵さんには倒れていた日の記憶がなかったんです。

そして覚醒し始めた今日、彼はノコノコと病室にやって来て葵さんに全てのことを話した


だが自分に不利になることは一切話さず
"俺は君を助けたい"とだけ言い、2週間後に返事をくれとだけ言って帰って行きました。


多田の話が葵さんの情緒を不安定にし、皆さんを傷つけてしまうと言う心が暴走して舜さんに無意識に術かけてしまったんです。
ですよね、柊さん」




新田君は全てを言い終わると柊の方を向いた




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