秘密の陰陽師 【肆】上




「あぁ、俺が知っている情報と全く同じだ。」



柊は小さく頷いた




「お前…知っていたのか?」




そう聞くと



「情報を集めるうちに、可能性の一つとして考えていました。ただ真実かどうかまだはっきり分からなかったので口外しませんでした」



柊はそこまで情報を掴んでいたのか。



お前の情報や、可能性として考えてたことが間違っていたことなんて一度でもあったか?



俺の知っている中で情報集めに関して柊を超えるものはいない。



全世界に情報共有してくれる仲間を持ち、夜な夜な家を出ては誰かと会っているのも知っていた。



だが俺にでさえその情報屋が誰なのか、どう言うつながりなのかは一切言わない。



それが忍であるならば俺は何も言わないけど正直気にならないといえば嘘になる。






「あとはセアロマと…龍王の事だな。」




柊の言葉にその場が凍りつく。




「龍…王…だと、?」




舜のお父さんの瞳が大きく揺れる




龍王…俺も噂で聞いたことはある



俺たちが産まれるずっとずっと昔、世界をほぼ全滅状態にした龍がいたと。


その龍はとてつもなく大きな青い身体を持ち、とても人間達では手がつけられなかったという。その龍王を封印した人物こそ陰陽師の長である…安倍晴明だ。

安倍晴明は龍王の封印と引き換えに自分の命を差し出したと言う諸説がある。

だが、今回の事にまさか龍王までが関係しているとはな…。

と言うことは葵は安倍晴明の末路と言う事になるのか?




まぁ間違いなく陰陽師の歴史に残る問題になるだろう。



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