秘密の陰陽師 【肆】上
第漆賞
葵side
「ふっ…ふぇ…っ…うわーん」
小さい女の子が暗い部屋で一人、泣いている
あれは…小さいころの私?
部屋のドアが開き
「あら、またおじいちゃんに怒られたの?仕方ないわね。ほら、葵の好きなクッキー持って来たわよ。食べる?」
そう言って優しく微笑むのは私のお母さんで
「おかあさぁん〜」
小さい私は涙を流しながらお母さんに抱きついてる。
「よしよし。
おじいちゃん達には秘密だからね?」
そう言ってハート形のクッキーを手に持たせてくれる。
「うんっおいしいっ」
涙を拭き、クッキーを頬張る私を優しい目で見つめてくれる。
いつだって私の味方でいてくれた。
おかあさん───────