秘密の陰陽師 【肆】上




夜の9時を回った頃、私はリビングへと降りた




机には家族みんなが座っていた。




「あおい…」




お父さんの声で皆がこちらを振り向く。




私は皆が座る机へと足を進め、いつもの自分の椅子に座った。




家族の間に緊張が走る。










そして










「私は明日、アメリカに行きます。」




静かに、そう伝えた。




私の言葉にお母さんの目からは涙がこぼれ落ちた。




長い沈黙が私たちを包む。



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